『セカンド』公演レポ B…嵐の千秋楽/前編
千秋楽と言っても、うちの公演は土日の2日間だけだったので、2日目=千秋楽(公演最終日)です。
初日のダメ出しをクリアして更に完成度を上げるために、午前中はスタッフ・役者共に調整を行います。 そして14:00からの公演に臨むはずでした。…が、ここで予想だにしなかったことが起こったのです。
結果、千秋楽での会場では3つの物語が繰り広げられました。 舞台上で演じられる「セカンド」。 本番直前に現場を離れることになった一人の役者とスタッフ。 そして、舞台袖で戦う役者たち。
※ 以下、私の頼りない記憶&スタッフからの報告をもとにして記録しておきます。
1月29日
【12:30】
アラシ役(主役級)の正樹、手洗い場で滑って右肩を脱臼。 もともと脱臼癖がある正樹だが、まさかこんな時に…!?
舞台監督の恭子と医療関係者のりんちゃんが、すぐに接骨医へ連れて行きました。
【13:00】
付き添って行った恭子から「もうちょっとで入りそうなんやけど、開演を30分遅らせることはできん?」と電話あり。 中々肩が入らないらしかった。 脱臼の経験がないので痛みは分からないけれど、入らない→入れようとする時に物凄い痛みが走るらしい。 電話の向こうで正樹の叫び声が聞こえる。
私の答えは「15分しか待てない。」
わざわざ足を運んで下さる観客を30分も待たせることはできなかった。
【13:30】
開場。 と同時に「やむを得ず開演時間が15分遅れます」のアナウンスを入れる。
スタッフが会館の各階に走り、貼り紙をし、来場途中の観客に知らせて謝罪する。
必死で走り回る大人たちの様子に不安を感じ、子役たち(6人)が泣きだす。
【13:45】
再度、恭子から電話。
「15分は間に合わん。 いつになるか見当がつかん。 もうちょっとで入りそうなんやけど…」
恭子とりんちゃんも手伝って正樹を押さえつけて懸命に治療するが、手ごわい脱臼…!
開演前に挨拶をして下さることになっていた市教育委員会・教育長(←エライ人)が舞台裏を訪問。 子どもたちは号泣。
【14:00】
何度か正樹の様子を電話で聞くが、相変わらず「もうちょっとなのに入らない…」。そして正樹の叫び声が聞こえる。
「もう可哀そうで見てられん」…恭子はかなり憔悴した様子。
公演中止にするか、もう少し待つか、待つならタイムリミットはいつか。 「待つ」ということはすなわち「観客を待たせる」ということ…。 たかがアマチュア劇団がこれ以上待たせたら、観客はもう帰ってしまうかもしれない。
今日の日のために役者も裏方もやってきた。 嫌なこと、辛いことも乗り越えてきた。
大事に大事に磨き上げた「セカンド」という芝居を、一番いい状態で舞台に乗せたい。
私たちの誰もがそう思っていた。
そして客席では大勢の観客が、幕が上がるのを楽しみに座っている。
演出であり、公演責任者である私が決断しなければいけなかった。
公演レポC(嵐の千秋楽/後編)に続く→
初日のダメ出しをクリアして更に完成度を上げるために、午前中はスタッフ・役者共に調整を行います。 そして14:00からの公演に臨むはずでした。…が、ここで予想だにしなかったことが起こったのです。
結果、千秋楽での会場では3つの物語が繰り広げられました。 舞台上で演じられる「セカンド」。 本番直前に現場を離れることになった一人の役者とスタッフ。 そして、舞台袖で戦う役者たち。
※ 以下、私の頼りない記憶&スタッフからの報告をもとにして記録しておきます。
1月29日
【12:30】
アラシ役(主役級)の正樹、手洗い場で滑って右肩を脱臼。 もともと脱臼癖がある正樹だが、まさかこんな時に…!?
舞台監督の恭子と医療関係者のりんちゃんが、すぐに接骨医へ連れて行きました。
【13:00】
付き添って行った恭子から「もうちょっとで入りそうなんやけど、開演を30分遅らせることはできん?」と電話あり。 中々肩が入らないらしかった。 脱臼の経験がないので痛みは分からないけれど、入らない→入れようとする時に物凄い痛みが走るらしい。 電話の向こうで正樹の叫び声が聞こえる。
私の答えは「15分しか待てない。」
わざわざ足を運んで下さる観客を30分も待たせることはできなかった。
【13:30】
開場。 と同時に「やむを得ず開演時間が15分遅れます」のアナウンスを入れる。
スタッフが会館の各階に走り、貼り紙をし、来場途中の観客に知らせて謝罪する。
必死で走り回る大人たちの様子に不安を感じ、子役たち(6人)が泣きだす。
【13:45】
再度、恭子から電話。
「15分は間に合わん。 いつになるか見当がつかん。 もうちょっとで入りそうなんやけど…」
恭子とりんちゃんも手伝って正樹を押さえつけて懸命に治療するが、手ごわい脱臼…!
開演前に挨拶をして下さることになっていた市教育委員会・教育長(←エライ人)が舞台裏を訪問。 子どもたちは号泣。
【14:00】
何度か正樹の様子を電話で聞くが、相変わらず「もうちょっとなのに入らない…」。そして正樹の叫び声が聞こえる。
「もう可哀そうで見てられん」…恭子はかなり憔悴した様子。
公演中止にするか、もう少し待つか、待つならタイムリミットはいつか。 「待つ」ということはすなわち「観客を待たせる」ということ…。 たかがアマチュア劇団がこれ以上待たせたら、観客はもう帰ってしまうかもしれない。
今日の日のために役者も裏方もやってきた。 嫌なこと、辛いことも乗り越えてきた。
大事に大事に磨き上げた「セカンド」という芝居を、一番いい状態で舞台に乗せたい。
私たちの誰もがそう思っていた。
そして客席では大勢の観客が、幕が上がるのを楽しみに座っている。
演出であり、公演責任者である私が決断しなければいけなかった。
公演レポC(嵐の千秋楽/後編)に続く→
























